トントン売上を知って経営余裕度をつかもう

損益ゼロ、収支トントンの売上を知ることは経営の余裕度を知ること

儲けもないが損もないことを「収支トントン」と言ったりします。

ところで、経営者のあなたは、この「収支トントン」となる売上高、しっかり把握できていますか?

「だいたいこれくらいだな~」と大雑把にとらえている経営者様は、要注意ですよ!

事業が順調なときは良いですが、もしも売上が落ちたとき、現状からどれくらい落ちても「ウチは大丈夫か」という目安、「経営の余裕度」を掴んでおくのはとても重要なことです。

 

計算は、それほど難しくありません。ポイントは、経費を『変動費』と『固定費』に分けることです。

 

 

経費を変動費と固定費に分けて限界利益を知ろう!

『変動費』とは名前の通り、売上の増減に伴って変動する費用のことで、代表的なものは”仕入”です。その他に外注費や材料費などもあります。これらは売上が増加すれば増えますし、もし売上が無ければ、原則的に発生しない性質の費用です。

『固定費』は売上の増減とは関係なく発生する費用のことです。例えば人件費、水道光熱費、家賃、保険料などです。(人件費のうち残業代や、水道光熱費の基本料金以外の従量分などは厳密にいうと売上によって増減します。厳密に費用を分ければ分けるほど、より正確な収支トントン売上が把握できることになりますが、詳しくは別稿で)

 

経費を『変動費』と『固定費』に分けられたら、次は少しだけ専門用語…『限界利益』を算出します。

なに?限界利益??もうギブアップ…とアレルギー反応を起こされた方!

大丈夫です!そういう利益があるのね~程度の理解で十分。

 

 

算式は

 売上 -  変動費  =  限界利益

60円で仕入れたものを100円で売った場合、限界利益は、売上100-変動費(仕入)60=40になります。

 

ここでどさくさに紛れて専門用語をもうひとつ…

限界利益を売上で割った割合を『限界利益率』といいます。

 限界利益  ÷  売上  =  限界利益率

先ほどの例でいうと、限界利益40÷売上100=限界利益率40% となります。

 

 

限界利益からトントン売上を計算しよう!

さて、限界利益率が分かったところで、最後の公式にいきましょう。
いよいよトントン売上高を計算する式です。

固定費  ÷  限界利益率  =  トントン売上

例えば固定費が20円としたとき、固定費20÷限界利益率40%=トントン売上50

この算式の示す内容は、
「この事業は、50円の売上で収支トントンになる」
言い換えれば
「今、売上は100円だけど、50円まで売上が下がっても損益はゼロ」

あるいは

「この事業の余裕度は100円ー50円=50円」
ということになります。

どうでしょうか?それほどややこしい算式ではないと思います。

【算式まとめ】

  1. 売上 -  変動費  =  限界利益
  2. 限界利益  ÷  売上  =  限界利益率
  3. 固定費  ÷  限界利益率  =  トントン売上

 

ん?ちょっと、待って!固定費を限界利益率で割って、なぜトントン売上が計算できるの?
と疑問に思った方。
その探求心、とても大切な感覚です。
経営者としてワンラックアップしたいというあなたは、ぜひ次の説明に進んでください。


固定費 ÷ 限界利益率 でトントン売上が算出できる理由

収支プラスマイナスゼロの状態は次の式が成り立つときです。

 

 

売上-変動費-固定費=0

先ほど、「売上-変動費=限界利益」という式を見てきました。
これを上記の式に置き換えると

限界利益-固定費=0
限界利益=固定費

この状態のとき、収支はプラスマイナスゼロです。

さて、限界利益率を求める算式は
限界利益率=限界利益÷売上・・・⑴
でした。
収支トントンとなるのは
限界利益=固定費 のときですから、⑴の式に置き換えると
限界利益率=固定費÷トントン売上
トントン売上=固定費÷限界利益率
という展開になるわけです。


具体例で見ていきましょう。例えば
売上100
変動費60
固定費20 のとき
利益は100-60-20=20ですので、収支トントンではありません。

限界利益=売上100-変動費60=40
限界利益率=限界利益40÷売上100=40%

収支トントンとなるのは
限界利益=固定費 のときですから
限界利益率40%=固定費20÷トントン売上
トントン売上=固定費20÷限界利益率40%
トントン売上=50


いかがでしょうか?
後半の算式はともかくとして
さっそく、トントン売上高、計算してみては?