相続対策と相続税対策、あなたに必要な対策は?

相続と相続税、この二つはどこが違うでしょう。

 

「税」がついてるか、ついてないか

 

はい、その通りです!

では、もう少し付け足すとしますと…

 

「相続」は、“どなたにも起こる事象”であるのに対して

「相続税」は“ある一定の人にかかる税金”です。

 

 

一方は事象、もう一方は税金であり、当然といえば当然の違いです。ところが、ここに『対策』という文字が付くと、両者が同じものを対象にしているかのように議論されているのではないか?と感じます。この混同の傾向は、相続税の改正が大きく影響しているようです。つまり、基礎控除額が6割に減額され相続税が他人事ではないと感じる方々が、実際はそれほど心配する必要のない相続税対策を「ウチもやらなきゃいけないのではないか?」と不安に感じるケースです。多くの方が漠然と「相続に対して、なんとなく不安」に感じる原因も、ここにあるのではないでしょうか。あなたの心配すべき対策は相続税対策よりも、相続対策かもしれません。必要な対策は何かをハッキリさせておきましょう。

 

 

相続対策は財産の大小関係なく必要です!

相続対策とは、相続が始まったときに慌てずスムーズに家族へ財産を引き継ぐための対策

相続税対策とは、納める税金をなるべく少なくするための対策+納税資金準備するための対策 

です。

 

相続税対策は、基礎控除額を超える財産を所有し、納税が発生すると予想される方が検討するものです。しかし、人間は皆平等、あの世に財産は持っていけません。相続はどなたにも起こる事象なのです。つまり相続対策はどなたも準備しておくべきもの、と言えるでしょう。相続で揉めて、家族関係がギクシャクしたり、疎遠になってしまったというお話は、巷に溢れるほど聞かれる話ですし、私がこれまで携わってきた相続業務でも、残念ながらありました。いわゆる“相続ならぬ『争続』”です。その原因は、自分の持分を主張して我欲の張り合いによるばかりでなく、仲の良い御家族が相手の意図を誤解したり、亡くなった方の遺志を測りかねたりという、些細な行き違いによることが多いのです。

 

 

遺産分割がまとまらなかったときには多額の相続税負担が発生することも!

さて、誰にとっても必要とも言える「相続対策」

 具体的にはどのような対策があるでしょうか。

 ・財産が不動産や自社株式など分割できない物件のみの場合には、物件承継者以外の相続人の

 代償財産として生命保険を用意する(ブログ『生命保険をトコトン活用』参照)

 

・オーナー会社の社長様は、計画的な自社株の承継とともに、早期に後継者の育成を進める

 

・特別に世話になった親族(嫁など法定相続人以外の親族)には、養子縁組を検討する

 あるいは生前贈与をするなど、貢献に感謝する気持ちを生前に具体的な形で示しておく

 

・遺言書を作成する など

遺言書には抵抗があるという方は、エンディングノートを作成する方法もあります。いずれの対策も、財産の所有者が、御家族にご自身の思いを生前から伝えて、その理解を得ることに他なりません。

                                                                                             

そして、遺産分割が期日までにまとまらなかった場合には、相続人全体で被る不利益があるということを頭に入れておいて頂きたいのです。その不利益とは、未分割の状態は、資産の処分が滞るだけでなく、相続税を多額に納めなければならないという事態も招く可能性がある、ということです。

 

期日までに遺産分割協議が整わなかった場合でも、相続税の申告は亡くなられてから10か月以内に「法定相続分で相続したもの」と仮定して提出しなければなりません。しかし、遺産が未分割の場合には、税制上の優遇特例が適用できません。結果として、多額の相続税を負担するという事態が起こります。

 

遺産が未分割の場合に適用できない特例は次の通りです。

 ・配偶者の相続税額の軽減

・小規模宅地等の相続税の課税価格の計算の特例

・非上場株式等の納税猶予制度の特例

・農地等の納税猶予制度の特例

・国等へ相続財産を贈与した場合の相続税の非課税   など

このうち、「配偶者の相続税額の軽減」と「小規模宅地等の相続税の課税価格の計算の特例」に限っては、申告書の提出期限から3年以内に分割された場合、その他やむを得ない事情がある場合等の事由により、申告書の提出期限内に分割できなかったことにつき税務署長の承認を受けた場合には、その分割ができることとなった日の翌日から4か月以内に更正の請求を行えば、特例の適用を受けることができます。

 

このような事態に陥らないためにも、しっかりとした相続対策が不可欠です。

 

ここまで、いろいろな方法を述べて参りましたが、すべての対策の第一歩は、財産の現状把握どんな財産があるのか、そして評価はいくらなのか、分割できるのか…まずは財産の現状を把握することから始めましょう。現状把握をして初めて、税金の予想、節税、納税資金の準備など、具体的な対策を検討していくことになります。

 

税金がかかりそうだと予想される方は、両方の対策を車の両輪と考えて、並行して進めていくことが重要です。

こんな不安はありませんか?

  我が家の財産に相続税はかかるのだろうか?

  相続税が増税されたと聞くけれど、我が家にも関係あるのだろうか?

  財産を上手く引き継ぐにはどうしたらいいのだろう?

  財産は生前に贈与した方がいいのかな?

  もし相続税がかかるなら、なるべく低く抑えたい

  何か対策を打つべきだけど、どこから手をつけたらいいかわからない

あなたの不安をご相談ください。どんな些細なことでも構いません。

まずは、財産の確認からはじめましょう。

専門家の立場から、あなたに最も必要な対策をオーダーメイドでご提案いたします。