創業融資は受けるべき?


「借金は嫌い!!」

 

借入金に対するアレルギーをお持ちの方はたくさんいらっしゃると思います。

無借金経営、という言葉もよく聞きます。

業種によっては、自己資金だけで開業準備資金は賄えるという方もいらっしゃるでしょう。

そのような場合、創業融資はまったく「不要」でしょうか?

また、そもそも事業にとって借入金とは「悪」なのでしょうか?

 

事業経営にとって一番恐ろしいのは、なんと言っても「資金の枯渇」です。

お金は血液と同じで、事業体内に常に回っていれば生きていられるのですが、止まった途端に死を迎えます。

ですから、事業計画には「資金繰り表」の作成が必須なのですが、資金繰り表については別稿に委ねるとして、

創業から軌道に乗るまでには予期せぬ計画の後ろ倒しが起こることはよくあることです。

例えば2年目、3年目、事業が思うように運ばず、資金不足で外部からの資金流入を検討せざるを得ない状況になったとします。

そのようなピンチの場面では、あなたの事業は、おそらくすでに赤字状態になっているでしょう。

その段階になって金融機関に融資を受けることは、残念ながら非常に困難です。

金融機関は、すでに経過した1年目、2年目の経営成績を判断要素とするからです。

 

日本政策金融公庫は「事業開始後7年以内の事業者」、あるいは県市の制度融資は「創業後5年を経過しない事業者」を対象者としていますが、実際のところ、創業融資を受けるのであれば創業後すぐに申請するべきでしょう。

なぜなら、まだ実現していない(実現すると主張して作成した)計画書の段階で融資を受けられるのは、

創業者のみに与えられたチャンスだからです。

ある意味では、創業融資は金融機関が創業家の「夢」に融資してくれる、創業者にとっては、とても有難い融資なのです。

(もちろん、実現可能性が非常に高い「夢」である必要がありますが…)

 

資金の枯渇に直面してからでは、金融機関への融資申請は非常にハードルが高くなるということを念頭に置いて、

創業してから少なくとも5年間の資金繰りを検討した上で、創業融資を受けるべきかどうかを判断していただければと思います。